まいにちトリップ

もはや旅ジャンキー? エリのブログ。トリップする日々を写真や動画や言葉でゆるりと綴っていきます。

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クリエイターの足

「松岡さん、いよいよですよ!」
電話を切って、私はすぐさま家を出た。
肩には家出少女のようのどでかいバックをずしりと下げ。

向かう先は、見晴らしのいいビルにあるデザイン事務所。
近頃街で彼らのデザインした紙媒体を見ない日はない。
新進気鋭のクリエイターズ集団。そう言うと、
本人達は「なんか恥ずかしくない?」って言いそうだけど。

締め切り直前になると関係者はこの事務所に詰め、
みんなで一斉に作業する。
今回の私の担当は超ヘビー。隣で見てた編集長も、
「これ、半分の量でも多いですよね」って。
っつーか、いまさら、アンタねえ。

とにかく必死に仕事する。言っちゃ悪いが
私にはまったく似合わない姿だ。
カチャカチャカチャカチャ……。
周囲からはキーボードの音しか響いてこない。

午前3時、ところどころで異変が起きる。
「聞いてないよ!」と怒り出す人、
連日の疲労から眠りこける人、ささいなことで爆笑する人。

少しずつ空が白んできたときに、私と同じ年の
デザイナーさんが言いにくそうに切り出した。
「これ、やっぱりもう少し小さいサイズのほうが
カワイイかなあと思うんですよ……」
確かにそう言われるとそんな気もする。
「じゃあ、小さくしましょうか」。
このひと言で、彼女も私もベッドが遠のく。

クリエイターに一番必要なのは、才能じゃない。
体力と、精神力。どんなに疲れていても、
「やっぱりこっちがいいかも」と思ったら
あえて修正を入れる、その心持ちだ。
「ここ、2ミリずらしてください」――
そんないじわるのようにも聞こえる修正を、
ここの事務所の人たちは、快く受け入れてくれる。
修正を待ちながら、しみじみとリスペクト。

朝9時、太陽がギラギラと照り始めた頃、
ようやくすべての作業が終わった。
「あ!!!」一番年下の女の子が声をあげる。
ギクリとする面々。
「どうしたの?」誰かがおそるおそる聞くと、
彼女は半分ぐらいしか開いてない目で言った。
「ここにいる人、全員ビーサンか裸足なんですよ~」

確かに10人近くいる人の中で、すでに
ちゃんとした靴を履いている人はいなかった。
みんなで一斉に足を差し出して、ゲラゲラ笑った。

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  1. 2006/08/22(火) 21:29:47|
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プロフィール

松岡絵里

Author:松岡絵里
あっちをフラフラ、こっちをフラフラ。
基本的に「毎日が旅」なスタンスです。
でもって記念写真を撮るのが好き。

職業はフリーランスのライター&編集者。
人生の大きな転機はダンナを引き連れての
「世界一周デート」

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